観音岩山

観音岩山(かんのんいわやま)は、札幌市南区にある山である。通称である八剣山(はっけんざん)という名が一般的となっている。

概要

標高498mの岩山で、かつては五剣山(ごけんざん)・天巌山(てんげんやま)とも呼ばれていた。現在は岩峰を8本の剣と見立てた八剣山という通称が使用されている。また、観音岩山という山名は、山中に祀られている観音に由来する。

観音岩山南西面(2013年8月28日撮影)

鋸状に立つ岩峰は、約400万年前のデイサイトの岩脈が、約700万年前の簾舞沢溶岩を貫いたものである。

標高498mの低い山ではあるが、傾斜が急な箇所が多く危険な山である。低い山だからと甘く見ていた登山者が滑落する事故が毎年のように起こっている。

八剣山道路

かつては上砥石地区と下砥石地区が完全に分断されていた。入植当初、上砥石地区に住む農家たちは、簾舞方面へ向かうため八剣山裏手の鞍部に踏み分け道を作り移動していた。しかし運搬に難儀するため、山の中腹に岩盤を削り道を造ることを計画した。

難工事の末、馬が通れるほどの道路が拓かれ、上砥山と簾舞方面を結ぶ唯一の道路となった。しかしすぐ下には50mの断崖と豊平川が待ち構えており、落石も伴っていたことから転落事故もたびたび起こっていた。後に安全祈願のため馬頭観音が建立された。

昭和に入ってから上砥山橋が開通すると八剣山道路の需要は少なくなり、通る人も減っていった。その後はハイキングコースとして整備され、札幌市の自然遊歩道として引き継がれた。しかし、落石や道路の崩落が相次ぎ、通行止めとなった。

八剣山トンネル

がけ崩れによる現道の通行不通区間の解消のため、札幌市施行の道路トンネル工事として整備された。1999年(平成11年)12月16日に開通した。

延長は760mあり、およそ150mの区間に対し凍結防止が施されている。

登山

中央口コース・南口コース・西口コースの3種類のコースがある。八剣山果樹園のある中央口からの入山が一番分かりやすいコースとなっている。1時間ほどあれば頂上へ到達することができる。山頂付近はロープが必要な急傾斜となっているため注意が必要だ。

中央登山口
南登山口
西登山口

参考文献

  • 「札幌の地名がわかる本」(亜璃西社)
  • 「定山渓鉄道」(北海道新聞社)

参考サイト

関連サイト

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