玄咲(げんさく)とは、かつて札幌市内に展開していたラーメンチェーン店である。株式会社創和が運営していた。2019年(平成31年)4月15日をもって全店舗が閉店した。
店舗概要
これまで高速洗車場を経営していた店主・吉田征夫氏が、1985年(昭和60年)1月7日に月寒へオープンさせたラーメンチェーン店である。ラーメン屋を始めた理由としては、バブル景気が続かないことを予測していた点、元よりラーメンが大好きだった点を挙げている。
「玄咲」という店名には、クロウトになって花を咲かせることが出来たらいいなという願いが込められている。
本店閉店の際には「本当は暖簾を承継してほしい」と話していたが、後継ぎがいないこと、店主の年齢が80歳を超えていることから、2018年(平成30年)9月28日に惜しまれつつ閉店することとなった。本店の閉店後も大谷地店が営業を継続していたが、テナント契約が満了を迎えたことで閉店となった。
開店までのエピソード
ラーメンを仕事にすることを決意してからは、北海道中のラーメンを食べ歩いたという。1日10杯は食し、当時47歳だった店主にはこれ以上ラーメンを食べてはいけないとドクターストップがかかった。風呂に入ると体中から脂が染み出るくらいだったという。その結果、もっと体にやさしい、ヘルシーな本物指向のラーメンを作りたいという意識が芽生えた。
そんな中、「氷温熟成の装置」を持っている会社が洗車場時代の取引先だったこともあり、氷温の技術について知る機会ができた。氷温とは食品が凍り始める温度のことで、0℃から氷温までの「氷温域」の中でラーメンを熟成することで、うまみやコクが増す。その知識を生かして研究を重ねた結果、有識者からも絶賛される「氷温熟成の麺」を作ることに成功した。
日本で初めて氷温熟成を実現したラーメン屋となった。
メニュー
上記の通り氷温熟成の麺を使用しており、スープも豚のげんこつのみ、水は藻岩山の伏流水、油は植物油のみ使用していた。化学調味料も使用しない健康的なラーメンで、脂っこいものが苦手なお年寄りでも食べやすいラーメンが人気であった。
- 龍舟麺
- 醤油ラーメン
- 醤油チャーシュー麺
- 味噌ラーメン
- 味噌チャーシュー麺
- 龍麺
- 丸鶏スープ麺
- ねぎラーメン
- ジャージャー湯麺
- 担々麺
- 五目あんかけラーメン
- 特製冷麺(夏季限定)
- ジャージャー冷麺(夏季限定)
- 野菜冷麺(夏季限定)
- 辛味噌ラーメン
- 愛鯛ラーメン
- トマトラーメン
- 昆布醤油ラーメン
- ジャージャー温麺
- 五目やきそば
- チャーメン
- エビ入りチャーハン
- 鮭チャーハン
- 焼豚チャーハン
- カニ天津飯
- 中華丼
存在した店舗
- 月寒本店(札幌市豊平区月寒中央通11丁目4-38) – 2018年9月28日閉店
- 大谷地店(札幌市厚別区大谷地東3丁目3-20 キャポ大谷地店1F) – 2019年4月15日閉店
- 藻岩山展望台店(札幌市南区北の沢1956-2地先 スカイホール531) – 2008年4月閉店
- 新発寒店(札幌市手稲区新発寒4条1丁目 パワーセンターコムス内) – 2012年1月業態変更
- 宮の沢店(札幌市西区宮の沢1条1-1)
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