平岸アパマンショップガス爆発事故

平岸アパマンショップガス爆発事故は、2018年(平成30年)12月16日に札幌市豊平区平岸のアパマンショップ平岸駅前店で発生したガス爆発事故である。

事故概要

2018年12月16日20時29分頃、札幌市豊平区平岸の「アパマンショップ平岸駅前店」が入居する雑居ビルで爆発が発生した。同店および隣接する「海さくら平岸店」が倒壊・炎上し、周辺の建物もガラスが割れるなどの被害を受けた。この事故により52人が負傷した。爆発による火災は、翌17日2時10分に鎮火した。

事故原因

当時店内では除菌消臭スプレー120本を、廃棄目的で同時に噴射して空にするという処理を行っていた。店舗のドアや窓は締め切られたままで換気されておらず、湯沸かし器をつけたところ爆発が起こった。また、ガス抜きを行ったスプレー缶はすべて新品だったという。

火災の原因については、爆発の衝撃で配管が外れてガスに引火し炎上した可能性があるとみている。なお、爆発が起きてから建物が炎上するまで10分ほど時間が空いていたと目撃者は証言している。

被害

隣接する「海さくら平岸店」は跡形もなく倒壊したため、閉店を余儀なくされた。その後2019年(令和元年)6月26日に澄川へ店舗を移転し営業を再開した。

「海さくら平岸店」隣の「ケンタッキーフライドチキン平岸店」も建物が破損するなどの被害を受け、しばらくの間休業を余儀なくされた。同年12月21日より持ち帰りのみで営業再開したが、稼ぎ時のクリスマスシーズンに大打撃を食らうこととなった。

道路を挟んで隣の「ロイヤルホスト平岸店」も窓ガラスが割れるなどの被害を受け、休業を余儀なくされた。2019年(平成31年)3月19日に94日ぶりの営業再開を果たした。

平岸通を挟んで斜め向かいの「ステーキBar Junk-Jack」も営業困難になるほどの被害を受けたため、休業した。その後はアパマンショップ側の補償を受けられず倒産のおそれがあるとして、調理器具などが揃わない状態のまま2019年(平成31年)3月16日より営業再開した。

周辺のマンションでも窓ガラスが割れるなどの被害を受けたため、「平岸まちづくりセンター」を避難所として開放。住人など60人が一時避難することとなった。

事故後

APAMANは同月18日にホームページ上で謝罪文を発表したほか、同日夕にはアパマンショップリーシング北海道の社長が謝罪会見を行った。20日には被害者相談のための「現地受付窓口」を現場近くのビルに開設し、22日夜には被害者向けの説明会を開いた。

同店では除菌消臭スプレーをつかった消臭サービスについて、顧客から代金を受け取っていながら未実施のケースが約2年間で127件あったことが明らかとなった。これについては入居時にかかる「消臭・抗菌代」がスプレーを噴射するだけの作業であったことも判明し、1~2万円台の請求は高すぎるのではという声が全国から上がった。

アパマンは2019年9月期に被害見積り額の10億700万円を特別損失で計上すると発表。また、保険対象額3億1,000万円を特別利益で計上する。これに伴い、2019年9月期の業績予想を当期純利益マイナス1億円とした。純利益は従来予想の6億円の黒字から引き下げた。

2019年(令和元年)12月2日には、店長だった男(当時34歳)を重過失傷害などの疑いで書類送検した。

参考サイト

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