令和元年札幌市南区ヒグマ出没被害

令和元年札幌市南区ヒグマ出没被害は、2019年(令和元年)8月2日から14日にかけて
札幌市南区藤野および簾舞の住宅地にヒグマが出没し農作物被害などが出た出来事である。

概要

2019年(令和元年)8月2日21時20分頃、札幌市立簾舞中学校付近でクマの目撃情報があり札幌南署員が捜索したが、この時点でクマは見つからなかった。

その後も連日クマの目撃に関する通報が相次いだが、同月7日19時35分頃、藤野4条11丁目付近をクマが歩いていると通報を受け札幌南署員が捜索したところクマを発見した。8日0時頃から追跡を開始し、報道のカメラにもとらえられた。

8日以降も連日連夜クマが住宅地に出没し、農作物被害が出ていることや人間を恐れていないことから、札幌市は同個体の危険度を4段階のうち2番目に高い「段階2」とし、10日に箱わなで捕獲する方針を決めた。

しかし箱わなによる捕獲は成功せず、「行動がエスカレートし、危険な状況」と判断して札幌市は同月12日、13日早朝以降に猟銃により駆除する方針を決定した。13日はクマが見つからず駆除できなかったが、14日に同個体のクマを駆除することに成功した。

駆除

同月14日6時4分に2発、6分に1発、ハンターより放たれた銃弾で駆除された。駆除されたクマは体長1.4メートル、体重128キロ、推定年齢8歳の雌であった。首元の白い模様が特徴的だった。射殺したのは藤野地区を巡回していた北海道猟友会札幌支部のハンターである。

銃によるヒグマの駆除は札幌市内では2013年(平成25年)以来6年ぶりの出来事だった。

被害

家庭菜園や田畑が荒らされるなどの被害が出た。トウモロコシなどが食い荒らされ、餌に執着している様子だった。

近隣の市営藤野墓地への墓参りを自粛するよう札幌市に発表され、ちょうどお盆の時期であったことから多くの墓参り客に被害をもたらした。

抗議

当出来事は全国的にも大きく報道され、ヒグマの駆除を受けて札幌市には同月15日までに約300件の意見が寄せられた。ほとんどが道外からの苦情で、内容は「麻酔で眠らせて森に帰して」「捕まえて動物園に移して」などといったものであった。

札幌市は「人命を最優先した。不測の事態を招く恐れがあるクマの駆除はやむを得ない」と説明している。また、「繰り返し住宅地に出て、餌に執着するクマの行動は異常」といった説明もしており、麻酔銃による捕獲は困難であったと専門家も話している。

参考サイト

コメント

タイトルとURLをコピーしました